トルピー日誌 

日常は幸せに囲まれている!?

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 暗い青春

自分はいかに女とは無縁の生活をしてきたのか。 振り返ると悲しくなる。 そもそも自分に自信が無く女に持てる訳が無いと思っていた。 だから高校に入ってからも女子とは無縁な生活で遊び相手も女子とは無縁な奴が多かった。 そんな仲間と遊ぶのは楽しかったのだ。 しかし、そんな中、高校生活も最後の3年生の夏に中学校当時の同級生の女子とひょんな事から文通をする事になった。 ワシは北海道の片田舎、彼女は東北の高校に通っていた。 全くと言っていいほど女っ気が無かったワシは自分でも信じられない程夢中になり一週間に一度来る彼女からの手紙が生き甲斐になった。 

 彼女から手紙が届き、それを熟読し返事を書き次の日には投函する。 そしてまた一週間程経つと手紙が来る。 それが待ち遠しくて仕方なかった。 今ならメールでポンポン返せるのだろうが当時は携帯のけの字もない。 手紙など書いた事がないワシがお店で便箋を買ってくるなんて自分でも驚くほどの物凄い変わりようだった。 学校帰りも郵便受けを覗くのが楽しみになった。 ある時、彼女から名前入りのキーホルダー届いた。 「YOSHIKO」とはいったそれをワシは筆入れに付けて学校に持っていった。 学校の仲間には「ワシは宮崎美子のファンだから」と公言していた^^


 初めて経験する恋とはこういう物なのかと自分の考えが180°変わったようだった。 それまで何も感じなかった恋の歌が物凄く胸に響くようになった。 自分に重ね合わせ「木綿のハンカチーフ」を聞くのは辛くなった。
遠距離恋愛だけど自分は絶対上手く行くんだと純真に思った。(まだまだ青かった^^) それまでダラダラやっていた部活も、まったくしてなかった勉強も「彼女の為に頑張るぞ!」と自分に言い聞かせた。(なんという涙ぐましい^^) 何の目的も無かった生活がバラ色に染まった、そんな気分だった。


 しかし、悲しいかな遠距離恋愛。 会いたくても会うことも出来ず。 彼女の顔すら中学以来でハッキリと見えず。 それでも自分を抑えられず初めて手紙に「好きだ」 と書いた。 彼女は「嬉しかった。 けど目の前で言って欲しかった」と手紙に書いてきた。 会えないもどかしさの恐怖が闇となり体を包んでいった。 バラ色だった文通生活が次第に苦痛になっていった。 出かける先でもふと「ここに彼女がいたりして」などとバカバカしい妄想に明け暮れた。 ワシは余りにも何も知らない子供だった。純粋と言えば聞こえが良いが恋愛を知らない男の一途さは質が悪い。 ワシは自分の思いを彼女にぶつけるしか無かった。 余裕も遊びも無くただ一心に彼女を愛す、それが恋だと思い込んだ。 


 それは彼女にも苦痛だったろう。 「好きと言ってくれるのは嬉しいけど私の事何も知らないでしょ」 ワシにはこれ以上無いほどグサリと刺さる言葉だった。 中学以来、一度も会わず文通だけで1年を経過したとき彼女は「このまま放って置かれたら私どうなるか判らない」と書いてきた。 もう彼女の心が離れていくのを知りながら何もする事が出来ない悲しさに目の前が真っ暗になった。 文通も形だけの辛い交換になっていた。


 文面からも彼女のトーンの変化が分かり手紙を読むのも辛い。 「私ね、この間電車で声かけられてね 「ねえ、彼氏居るの? 居るんだろうな 可愛いもんね」ってずっと一人で喋ってるの。 可笑しいよね」


 ワシはその場所に走って行ってそいつを殴ってやりたかった。 しかし、ワシには何も出来ない。 何も出来ないのだ。 もう 終わるんだろうな  気持ちがどんどん闇になっていくのが判った。  高校を卒業して専門学校に行った夏、 ワシは最後のつもりで彼女に会いにいった。 4年ぶりに顔を会わせた彼女を見て感じた恐ろしい言葉、それは「他人」だった。 文通で恋人気取りをしてきたがいざ会ってみると他人だった。 そりゃそうだ。 出会いも告白も付き合いもデートも手紙の中だったから。 彼女の顔を見て久しぶりに会えた喜びも吹き飛んでたった一日で埋められる筈も無い大きな溝に現実を突きつけられたのだ。 もう完全に終わった。 そう実感した一日になった。 めまいで気が遠くなりそうになったのは30度を遥かに超えたその日の気温だけのせいではなかった。  


 なぜか ふとそんな昔の事を思い出した。 随分時間が立ってしまったけれどあの時の胸の痛さは今でもハッキリ覚えてる。
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コメント

タイトルが「暗い青春」となっていますが、暗くはないでしょう? 文通している間は、ワクワクドキドキしていて決して暗くない、明るい時間だったと思います。
若い恋は最後は苦くなっちゃいますね~。じゃないと学生結婚だらけになる! と自分をなぐさめていたことがあります…(^^;

  • 2011/11/23(水) 22:18:01 |
  • URL |
  • 鈴木 #-
  • [ 編集]

Re: タイトルなし

文通始めは楽しかったですね~。 でも会えないってのはシンドイもんです。 年がら年中、妄想して生きてました。 終わった後もかなり引きずり大変でした。 まあ、あのまま童貞結婚してたらそれはまた問題ですがね^^

  • 2011/11/24(木) 09:46:27 |
  • URL |
  • トルピー #-
  • [ 編集]

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